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Channel: スポーツナビ+ タグ:三塁手
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【番外編】枯渇する新外国人三塁手

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1.はじめに 12球団でサードに課題を抱える球団は以下の5球団ではないでしょうか。巨人→村田が不振。年齢による劣化の可能性も高く、岡本の成長が間に合うか疑問符。阪神→現状は今成選手。長打が物足りない。中日→ルナの退団が濃厚。若手の成長も芳しくない。広島→堂林、安部、梵の併用。打力不足。ロッテ→今江と中村の併用。打力不足。つい先日にも阪神がPCLの三塁手であるジェイミー・ロマック選手をリストアップしたとの報道があり、各球団サードの選手は調査していることと思います。しかしそんな各球団のニーズとは裏腹に、記事タイトルにもあります通り、今季は三塁手の人材が枯渇しています。その三塁手の枯渇している現状と、では誰を取るべきなのか?誰が成功しそうなのか?この辺りを特集としてお話させて頂きます。 2.三塁手の人材リストまず現在マイナーでの三塁手、および今季でFAとなるMLBプレイヤーの三塁手をリストアップさせて頂きます。なおまだ若過ぎて日本に来る可能性が限りなく0に近い選手、その反対に高齢なベテラン選手、および活躍は100%無理だという低い成績の選手は割愛させて頂きます。ある程度の成績をマークしているそれなりの年齢の選手のみ厳選しました。・AAA(PCL)の三塁手●エド・ルーカス(33) 右打ち 442打席打率.316 6HR 48打点出塁率.389 長打率.420 OPS.809 K%(三振率)19.2% BB%(四球率)10.2% ●マット・ダフィー(26) (アストロズ) 右打ち 557打席打率.294 20HR 104打点出塁率.366 長打率.484 OPS.850 K%(三振率)16.2% BB%(四球率)8.6% ●ジェイミー・ロマック(30) (←阪神リストアップ) 右打ち 518打席打率.242 22HR 74打点出塁率.322 長打率.461 OPS.783 K%(三振率)22.2% BB%(四球率)9.5% ●ライアン・ロバーツ(35) 右打ち 499打席打率.283 13HR 58打点出塁率.355 長打率.450 OPS.805 K%(三振率)12.6% BB%(四球率)10.2% ●アダム・デュバル(27) 右打ち 437打席打率.281 26HR 80打点出塁率.325 長打率.547 OPS.872 K%(三振率)20.8% BB%(四球率)5.7% ●コディー・デッカー(28) 右打ち 421打席打率.252 21HR 75打点出塁率.335 長打率.488 OPS.823 K%(三振率)25.4% BB%(四球率)10.0% ・AAA(IL)の三塁手●マット・ヘイグ(29) 右打ち 596打席打率.338 11HR 92打点出塁率.416 長打率.468 OPS.884 K%(三振率)10.9% BB%(四球率)10.2% ・MLBの三塁手●ゴードン・ベッカム(29) 右打ち 237打席打率.209 6HR 20打点出塁率.275 長打率.332 OPS.607 K%(三振率)18.1% BB%(四球率)8.0% ●ケーシー・マギー(32) (元楽天) 右打ち 258打席打率.198 2HR 20打点出塁率.264 長打率.274 OPS.538 K%(三振率)19.4% BB%(四球率)8.1% ●クリフ・ペニントン(31) 両打ち 249打席打率.198 3HR 21打点出塁率.210 長打率.298 OPS.508 K%(三振率)19.7% BB%(四球率)10.8% ●ショーン・ロドリゲス(30) 右打ち 240打席打率.246 4HR 17打点出塁率.281 長打率.362 OPS.643 K%(三振率)26.3% BB%(四球率)2.1% →まずPCLからですが、ルーカス選手、ロバーツ選手の両名は助っ人としては迫力不足かつ、年齢がそこそこいっているため除外して良いと思います。PCLではダフィー選手が一歩前に進んだ成績を残していますが、まだ、26歳と若く今季にメジャーデビューを果たしたばかりです。獲得は少し難しいように見えます。デュバル選手はPCLで最も長打力を期待することができる三塁手ですが、サードの通算守備率が.917と悲惨な数字が残ってしまっています。今季も守備率.913のため、三塁手として期待するのは酷なように見えます。デッカー選手もパンチ力のある打撃が魅力ですが、三塁の通算守備率が.869という驚きの数字が残っており、とてもじゃありませんがサードは任せられません。最後のロマック選手についてですが、前回の記事でもお話した通り、サードの通算守備率が.929とこちらも頼りない数値は残っています。とはいえ、PCLの三塁手という枠組みでいえばロマック選手が攻守のバランスで最高の三塁手であることは間違いないでしょう。→次にILですが、優秀な三塁手が枯渇しています。基本的に若過ぎるか、パンチ力が圧倒的に不足している打者ばかりで、マトモな選手はマット・ヘイグ選手ただ一人というのが筆者の見立てになります。そのヘイグ選手ですが、打撃の面でいえばPCLの各選手とは一線を画く力を持っているといえます。ILでこの四球率と三振率は見事です。ただし問題は守備でして、サードの通算守備率は.929とこちらもロマック選手と全く同じ数値が残っています。守備機会についても通算でロマック選手守備機会680 エラー48 守備率.929 ヘイグ選手守備機会647 エラー46 守備率.929 近年の細かな守備をみても・ロマック選手 2013年守備率.947(守備機会19で1個のエラー) 2014年守備率.921(守備機会164で13個のエラー) 2015年守備率.950(守備機会219で11個のエラー) ・ヘイグ選手 2013年守備率.963(守備機会135で5個のエラー) 2014年守備率.935(守備機会93で6個のエラー) 2015年守備率.943(守備機会158で9個のエラー) なため、両名のサード守備力はほぼ同等と見て差し支えないと思われます。また打撃に関してですが、筆者はヘイグ選手の方が遥かに優れたものを持っていると評価しております。ロマック選手はインサイドに致命的な欠陥を抱えているという点は、前回の記事でお話させて頂きましたが、ヘイグ選手はインサイドの対応に致命的な欠陥を抱えているわけではく、むしろ得意としています。ヘイグ選手の場合、インローに大きなツボを持っており、このゾーンに関しては低めのボール球であってもフェアゾーンに運ぶ技術を持ち合わせています。またアウトコースも得意にしており、低め全般に対して高いアベレージを記録しているため、日本野球にも順応しやすいものと筆者は見ております。これであれば、攻守を総合して考えればヘイグ選手>ロマック選手なわけでして、筆者としてはマイナーから三塁手をとるのであれば、ヘイグ選手がベストな選択肢であると考えております。→最後にMLBからですが、ベッカム選手は二塁と三塁を守る中距離打者です。筆者も高く評価している選手の一人でして、ここ数年打撃は不振ですが、さして問題はないと見ています。左右の攻めには強いベッカム選手。インサイドの対応にも問題はありません。問題なのは高めの釣り球と低めの見極めでして、特に高めの釣り球にかなり手を出し空振りが多い傾向があります。この点のみ気になりますが、致命的な欠陥ではないと見ております。守備に関しては二塁三塁共に上手く、安心して任せることができるベッカム選手になります。この傾向はペニントン選手、ロドリゲス選手の両名にも見られます。マギー選手は既に日本での実績がありますが、本人が米国志向が高いため獲得は難しいかもしれません。 3.おわりに新外国人の三塁手が枯渇している状況はお分かり頂けたことと思います。筆者としてはマイナーからとるのであれば、マット・ヘイグ選手 MLBからとるのであれば、ゴードン・ベッカム選手を推薦させて頂きます。両者共に一発を量産するような選手ではありませんが、『現状、獲得可能な三塁手の中ではベストな選択肢』であることは間違いないと見ています。

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